半流し漉きの発見
『高野山正智院伝来資料による中世和紙の調査研究』
宍倉佐敏、山本信吉 編著『高野山正智院伝来資料による中世和紙の調査研究』(2004年9月刊、特種製紙株式会社)を紹介する。
この調査研究は高野山正智院と、宍倉佐敏氏(元・特種製紙株式会社)および山本信吉氏(元・奈良国立博物館長)により平成11年から行なわれた。中世和紙の研究は、奈良時代(古代和紙)や江戸時代(近世和紙)のそれに比べ遅れていたが、今回、中世の古典籍・古文書の調査を通じてその実態が明らかになった。
成果を一口に言うと、「和紙が古代の溜め漉き技法から、近世の流し漉き技法に発展する過程の中で、半流し漉きと呼ぶべき技法が存在していたこと。その技法は我が国で典籍・文書の利用が進展するに伴って、それに適応できる和紙を作るため、工夫・開発された技法であり、それは厚紙から薄紙へという和紙の変化の過程を示しています。」(「ご挨拶」から引用)ということになるが、一章の「調査の概要とその成果」を元に、いま少し詳しく紹介したい。
高野山正智院伝来資料による中世和紙の調査研究
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